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ビアソムリエってどんな資格?試験や勉強法を取得者に聞いてみた!

クラフトビールをもっと楽しみたい人やビールに関する仕事がしたい人におすすめの、ビール専門のソムリエ「ビアソムリエ」という資格があることを知っていますか?ソムリエというと、ワインのイメージがあるかもしれませんが、世の中にはさまざまなソムリエがいます。ビールを専門とするビアソムリエはどのような資格なのか紹介していきます。

今回、ビアジャニ編集部内のビアソムリエ取得者にインタビューをし、ビアソムリエ試験を実際に受けてみた感想などを聞いてみました。ビールをこよなく愛するビアソムリエ取得者のインタビューを読むと、あなたもビアソムリエを目指したくなるかもしれません!

ビアソムリエってどんな資格?

ビアソムリエとは、100種類以上存在すると言われるビアスタイルの特徴や味の違い、組み合わせに精通し、よりおいしくビールを楽しむための提案や助言ができるビールの専門的な資格です。ジャパンビアソムリエ協会(JBSA)による資格で、ビールに関する仕事に携わる人やビールをより楽しみたい人を対象として、ビールに関する一定の知識やスキルを身に付けることを条件に認定しています。

ジャパンビアソムリエ協会では、日本独自の「ジャパンビアソムリエ」と上級者向けの「ディプロムビアソムリエ」、2種類のビアソムリエ資格を設けています。どちらの資格も取得までの講座が用意されており、ビールに関するさまざまな知識を習得します。講座の受講過程で身に付ける知識は幅広く、ビアスタイルや味の特徴はもちろん、ペアリングの相性や歴史、製造、流通など多角的にビールを学びます。

ビアソムリエ資格の取り方と必要なコスト

ジャパンビアソムリエ協会は、ドイツのミュンヘンで最も有名な歴史あるビール醸造専門学校「Doemens醸造アカデミー」と協力し、ビール業界で活躍できる人材の育成を目的に活動しています。

資格を取得するにはジャパンビアソムリエ協会が行う講座を受講し、筆記やテイスティング試験、レポート課題などを総合的に評価され、合格基準に達する必要があります。ビアソムリエに認定されると、協会から認定証とバッジが授与されます。ジャパンビアソムリエは2日間の講座(現在はオンラインで3日間)、ディプロムビアソムリエは約12日間の講座(現在はオンラインで11日間)を通してビールの知識を蓄え、テイスティング能力に磨きをかけます。ジャパンビアソムリエの講座受講料は、テキスト代やビール材料費含む6万8千円となっています。

ビアソムリエ合格者Hさんにインタビューしてみた

ビアジャニ編集部内でビアソムリエの資格を取得しているHさんにインタビューしました。ビアソムリエの魅力だけでなく、受験勉強や試験の感想など細かく話してもらったので、ビアソムリエがどんな資格なのかイメージできない方や資格取得を考えている方は参考にしてみてください。

――ビアソムリエを取得しようと思ったきっかけはなんですか?

ある日、友達と自宅で飲んでいた時に利きビールをやってみたら、なんと全問正解しちゃったんです!その時はスーパーに売っているような缶ビールや発泡酒を飲み比べました。普段の食事ではたくさん塩をかけすぎて奥さんに怒られることもあるくらい、自分は味音痴だと思っていたのですごく驚きました。

初めてクラフトビールを飲んだ時は、いつも飲んでいるビールとは違ったおいしさに衝撃を受けたことを覚えています。ビアソムリエの資格があることは知っていて、ビールが好きなのだから資格を取ってみたいと思っていたのですが、費用が高くて二の足を踏んでいました。そんな時、ご縁でビール会社さんと仕事をするようになり、「好きなことを仕事でも生かせるかも」という思いが資格取得への挑戦を後押ししてくれました。

――どれくらいの期間勉強しましたか?どんなふうに勉強しましたか?

試験勉強は短期集中型、1カ月で詰め込みました。ビアソムリエ協会が受講生を募集し、申込者に対して週1回3時間のオンライン講座を行っており、全3回の講座を受講すると試験に挑戦できます。試験の日程は複数の中から選べましたが、早く資格を取ってビアソムリエを名乗りたかったので講座を受け終わった次の週に試験を受けました。

テキストでの座学は、高校の試験勉強みたいでした。マーカーを引いたり、書きこんだりしてひたすら覚えましたね。テキスト以外にもクラフトビールの本を数冊買って読んだりもしていました。

テイスティングの練習は、講義用に送られてきた数種類のビールに加え、自分で購入して飲み比べをし、忘れないようにその時の感想をメモしていました。レポートについてはあまり詳しく言えませんが、かなりボリュームがあり、たくさん情報を収集して苦労しながら作成したのを覚えています。レポートを書くために題材として選んだクラフトビールをネットで注文したり、ブルーパブへ実際に飲みに行ったりもしましたね。

――試験の勉強で大変だったことはありますか?

座学やテイスティングなど覚えるものが多かったです。座学ではビールの製法、ビアスタイル、国による違いや特徴、サービス提供について、テイスティング、フードペアリング、ビアカクテルなど、ビールに関する知識を丸ごと勉強しました。久しぶりに学生時代に戻った気分になりましたね。テイスティングはあまり飲んだことがないビアスタイルの味の判別に苦労しました。そして、ビアソムリエのテイスティングは、ワインと違ってきちんと飲みこまないといけないんです。ワインのテイスティングは香りや味などを確認したら吐き出してしまうらしいのですが、ビールはのどごしもテイスティングの項目の一部になっているので飲みこまないと評価できないんです。酔うと味がわかりにくくなってしまい、一度にテイスティングできるビールの量に上限があるため、日を分けて1日に2~3種類のテイスティングをしていました。例えば、いわゆる白ビールを飲み比べる日はヴァイツェンやホワイトエールを、黒ビールを飲み比べる日はポーターやスタウト、シュヴァルツというふうに日を分けてテイスティングしていました。

試験勉強のお話では、ビアソムリエ協会が用意するものだけでなく、自分でもさまざまな工夫をして励んでいた様子がうかがえます。創意工夫のおかげで、すぐに合格できたんですね。

続いて、ビアソムリエ試験の詳細についてお聞きしましょう。

――受験前に自信があった分野や、不安があった分野、実際に受験してみての感想を教えてください。

もともとただのビール好きだったので、正直、どの分野も自信はなかったです。でも、ビール好きだったからこそ試験勉強に前向きに取り組めました!ビールについて学べば学ぶほど、ビールって奥が深いなーと感心していました。

――受験方法や、会場の雰囲気を教えてください。

筆記試験とテイスティング試験が同じ日に行われました。試験当日はあまり緊張することなく受験できました。ただ、試験中に飲酒するというのはとても奇妙な感覚でしたね。他の受験者とはコミュニケーションを取ることはなく粛々と試験が進められていった感じです。ちなみに、試験会場では他の受験者とのコミュニケーションはなかったんですが、ビアソムリエに合格した後、資格取得者同士のオンライン交流会で他のビアソムリエの人たちとお話しできました。「さすがビアソムリエ!」という感じで、みなさんビールの知識がすごいです。

――合格してビールの見方や味わい方は変わりましたか?家族や友人など周りの反応はありましたか?

試験勉強を通して得たビールの知識を生かして、フードペアリングをよく実践するようになりました。ビールの楽しみ方の幅が広がりましたね。うちは奥さんもビールが好きで、ビアソムリエ合格を喜んでくれたので嬉しかったです。奥さんが用意する料理に合わせて自分がビールを買って一緒に飲む、それだけで楽しいじゃないですか。これからは友人に自分の用意したクラフトビールとフードペアリングを振る舞いたいです!

家族や友人においしいクラフトビールとフードペアリングが振る舞えるなんて素敵です。ビアソムリエを取得したからこそ作れる楽しい時間と思い出ですね。

最後に、Hさんのビール愛について深く尋ねていきましょう。

――どんなビアスタイルが好きですか?

クラフトビールを知る前はずっとピルスナーばかりでした。特に好きなのは黒ラベルやハイネケン、オリオンなど、のどごしの良いものが好みです。クラフトビールも好きだったんですが、手に入りづらかったり、高価なものが多かったりしたので、特別な時にだけ飲んでいました。ビアソムリエを取得してからは、クラフトビールを飲む頻度も多くなりましたね。

今はヘイジーIPAばかり飲んでいます!ビアスタイルとしてはアメリカンスタイルのペールエール、IPAなど、柑橘系ホップが大量に使われたタイプのものが好きです。食事によってセゾン、ホワイトエール、ヴァイツェン、スタウトあたりはよく飲みます。

――ビールがおいしいと思う瞬間はいつですか?また、飲みたくなる時はいつですか?

何かをやりきった後や、仲間と一緒にいる時に飲みたくなりますが、それはキンキンに冷えたラガーがおいしいと思う時で、クラフトビールは、大切な人と過ごす特別な日や、特別な食べ物を囲む時に飲みたくなりますね。

――ビールに合わせるお気に入りのペアリングとその理由を教えてください。

「クリーミーな生がき(厚岸(あっけし)昆布(こんぶ)(もり)など)にセゾン」のペアリングが気に入っています!生がきのしょっぱさと濃厚な味わいにセゾンの柑橘系の清涼感が複雑に絡み合い、旨味を引き立ててくれます。生がきだけで食べるのとは違った新しい発見がありました。生がきってレストランやバーで注文すると高いんですよ。そのため最近は、朝早くに市場に行って、安く生がきを買って家で食べるのにはまっています。

他にも、定番ですが「テリヤキバーガーにIPA」が好きです。ホップの強い苦味が肉の旨味を引き立てるのと同時に、アクセントとなって変化を与え、もう一口食べたい衝動に駆られます。他にもたくさんのビアスタイルがあるので、さまざまなペアリングを試してみたいです。

――Hさんが考える、ビアソムリエに挑戦するメリットを教えてください。

ビアソムリエを取得して一番良かったと思うのは、人と楽しい時間を作れることですかね!自分が選んだビールで家族や友人が笑顔になるのは、ビアソムリエだからできることです。知識が増えることでフードペアリングという新しい楽しみ方に出会え、どんどん新しい組み合わせを開拓していけますし、ビールの話に興味を持つ人はたくさんいるので、人と話す時のネタにもなります。ビールが好きなのに、大手の主力銘柄しか知らないなんてもったいないですよ。ビアソムリエに挑戦することで、ビールの世界が広がります!

――最後に、ビアソムリエに興味がある人や受験を考えている人に一言お願いします!

ビアソムリエに限らないですが、好きなことを勉強して資格を取得するというのは楽しいですよ。確実にビールの世界を広げてくれる資格なので、クラフトビールが好きな人はぜひチャレンジしてほしいです。ビアソムリエ同士のつながりもできるので、仲間を見つけたい人、情報交換したい人にもおすすめです。日本ではまだまだ外国に比べてクラフトビールの認知度は低いですが、これからクラフトビールを語れる人が増えれば、そのぶん認知も広がっていくと思うので、一緒に日本のクラフトビールを盛り上げていきましょう!

まとめ:ビアソムリエになればビールの世界がぐんと広がる

今回は、ビアソムリエの基本的な情報だけでなく、資格取得者のインタビューを通してビアソムリエの魅力をお届けしました。インタビューではHさんのビール愛がひしひしと感じられましたね。もともとただのビール好きだったというHさんのように、ビールに関係する仕事をしていない人でも、ビアソムリエを取得してみるとさらにクラフトビールの世界が広がりそうです。Hさんのお話を聞いているとビールが飲みたくなってきました!よくビールを飲む方やビールで人を喜ばせたい方は一度挑戦してみるいいかもしれませんね。

ビアソムリエHさんのプロフィール

生粋のビール好きで、ビール会社との仕事をきっかけにビアソムリエへの挑戦を決意。ビアソムリエを取得した今では、料理を目にすると無意識にそれに合うビアスタイルを考えてしまうほどビールを愛している。

【※このサイト「ビアジャニ」について、詳細はこちら!】:https://beer-journey.jp/about/