
おすすめクラフトビールの選び方
2021.06.18
目次
はじめに
クラフトビールは世界に100種類以上あり、銘柄となると無数に存在します。
その中から自分が飲みたいビールを選ぶのは大変ですよね。
今回は、クラフトビールのおすすめビアスタイル(ビールの種類)や選び方を、シチュエーションやエリアごとに分けてご紹介します。
自分に合ったクラフトビールを見つけたい方、初めてでもおいしいクラフトビールを楽しみたい方は、ぜひ最後までお読みいただき、参考にしてみてください。
編集部がおすすめするクラフトビールの選び方(試しやすさ別)
編集部がおすすめするビアスタイルを、初心者向けから中級者向け、上級者向けに分けて全部で8種類ご紹介します。
クラフトビール初心者におすすめのビアスタイル3選
初心者向けのビアスタイルは、「ビールや他のお酒は好きだが、クラフトビールには挑戦したことがない」という方におすすめです。
クセがなく、普段飲んでいる大手ビールメーカーのビールの味に近いビアスタイルを選びました。
初心者向けのビアスタイルとして、こちらの3つをご紹介します。
- ピルスナー
- ペールエール
- ヴァイツェン
ピルスナー
「ピルスナー」は、日本の大手ビールメーカーがビール作りを始める時に参考にしたビアスタイルです。
そのため、日本人の舌になじみ深い味をしていて、クラフトビール初心者でも飲みやすくなっています。
キンキンに冷やして飲むのがおすすめで、キレのある味わいと爽やかなのどごしが特徴です。
ペールエール
「ペールエール」は、イギリスで誕生した上面発酵(じょうめんはっこう)のビールです。
上面発酵で作られたビールは、モルトとホップの香りが豊かに感じられます。
苦味が控えめで料理にも合わせやすいため、初心者でも気軽に飲めるビアスタイルです。
ヴァイツェン
「ヴァイツェン」は、原料に大麦だけでなく小麦をたくさん使ったビールです。
ヴァイツェン酵母という特別な酵母のおかげで、バナナのような香りを放ち小麦に由来する滑らかな舌触りが特徴の風味に仕上がります。
苦味が弱く味にクセが少ないため、クラフトビール初心者の方でも飲みやすくなっています。
クラフトビール中級者におすすめのビアスタイル3選
中級者向けのビアスタイルは、「クラフトビールを飲んだことがあり、もっと飲んでみたい」という方におすすめです。普段飲み慣れているビールに比べると、個性的な味わいのビアスタイルを選びました。
中級者向けのビアスタイルとして、こちらの3つをご紹介します。
- フルーツビール
- スタウト
- IPA
フルーツビール
「フルーツビール」は、その名の通り、ビールの原料にフルーツが使われているクラフトビールです。
フルーツビールを作る際、発酵前にフルーツを投入する作り方では、甘味が控えめでビールの苦味を残したままフルーツの風味も残ります。
凝縮したフルーツエキスを発酵後に投入する作り方では、アルコール度数が低くなりビールの苦味が抑えられるため、デザート感覚で楽しめる甘いビールが出来上がります。
苦いビールに飽きてしまったクラフトビールファンにおすすめです。
スタウト
「スタウト」は、真っ黒な見た目に、香ばしさと苦味の強さが加わった上面発酵ビールです。
焙煎してできたロースト麦芽を使用しています。
スタウトは英語で「頑強な、丈夫な」という意味があり、苦味だけでなく、アルコール度数も高めに作られます。
濃厚でコクのある味わいが好きな方におすすめです。
IPA
「IPA(アイピーエー)」は、インディア・ペールエールの略称で、大量にホップを投入して作られたビアスタイルです。
ホップのおかげでアルコール度数が高く、ガツンとした苦味と強い香りのビールが出来上がります。
より印象的なホップの味を生み出すため、複数のホップを混ぜて作られる銘柄もあります。
クラフトビール上級者におすすめのビアスタイル2選
上級者へおすすめのクラフトビールは、ビール通なら飲んでおきたいビアスタイルを選びました。
製造に時間がかかったり、製造地域が限られていたりするため、他のビアスタイルに比べると、流通量が少ないビアスタイルです。
そんな上級者向けのビアスタイルとして、こちらの2つをご紹介します。
- ランビック
- バーレイワイン
ランビック
「ランビック」は、ベルギーの首都ブリュッセルの南西にあるパヨッテンラント地域だけで作られる珍しいビアスタイルです。
人工的に改良されていない野生の酵母とバクテリアを使っているため、上面発酵や下面発酵(かめんはっこう)に比べ、発酵に時間がかかります。
発酵中のビールを腐敗させないようにホップを大量に入れることで、独特の強い酸味とチーズのような香りに仕上がります。
バーレイワイン
「バーレイワイン」は、上面発酵ビールの一つで、名前にワインとありますが、れっきとしたクラフトビールです。
「大麦のワイン」という意味で、ワインのようにアルコール度数が高く、モルトの甘味が強くどっしりとした飲みごたえをしています。
半年から1年以上かけ長期熟成させているため、ドライフルーツのような香りで口当たりはトロッとしており、14~16℃で飲むと最もおいしく飲めます。
編集部がおすすめするビアスタイル別の銘柄紹介

さきほど挙げたビアスタイルごとに、おすすめの銘柄をご紹介します。
【初心者向け】
- ピルスナーウルケル(ピルスナー)
- バス ペールエール(ペールエール)
- エルディンガー ヴァイスビア ヘーフェ(ヴァイツェン)
【中級者向け】
- リンデマンス・アップル(フルーツビール)
- ギネス エクストラスタウト(スタウト)
- ストーンIPA(IPA)
【上級者向け】
- カンティヨン・グーズ(ランビック)
- アンカー・オールド・フォグホーン(バーレイワイン)
ピルスナーのおすすめ銘柄:ピルスナーウルケル
「ピルスナーウルケル」は、1842年に誕生した歴史あるクラフトビールです。
ピルスナーの元祖として、今でも愛され続けています。
木樽を用いた醸造による麦芽の甘味と厳選されたホップの苦味が特徴的なビールです。
ペールエールのおすすめ銘柄:バス ペールエール
「バス ペールエール」は、1777年から作られ続けているイギリスを代表するペールエールです。
長い歴史を持つ銘柄ですが、今なお世界各地で飲まれています。
麦の芳醇な香りとスッキリとした味わいが楽しめます。
ヴァイツェンのおすすめ銘柄:エルディンガー ヴァイスビア ヘーフェ
「エルディンガー」は、ドイツのバイエルン地方の醸造所です。
ヴァイスビア ヘーフェは、生きたままの酵母をその働きを止めずに瓶詰めしています。
生きた酵母は瓶内で二次発酵しクリーミーな泡立ちを作り出します。
きめ細かい泡がヴァイツェン特有のフルーティーな香りと甘味をさらに引き立たせます。
泡を最大限に楽しむために、ぜひグラスに注いで飲んでみてください。
フルーツビールのおすすめ銘柄:リンデマンス・アップル
「リンデマンス」は、伝統的にランビックの製造を行っていますが、フルーツビールにも力を入れている醸造所です。
リンデマンス・アップルは、原料にリンゴを使用しているため、甘酸っぱいリンゴジュースのような味となっています。
アルコール度数が低く、デザート感覚で楽しめる飲みやすい一杯です。
スタウトのおすすめ銘柄:ギネス エクストラスタウト
「ギネス」の創業者がポーターという黒い上面発酵のビアスタイルを改良し、ロースト感と苦味をさらに強くしたのがスタウトです。
ギネス社は250年以上の歴史があり、エクストラスタウトは1821年からずっと同じレシピで製造されています。
こだわりの深い苦味とホップの爽やかな香りに、一瞬で魅了されてしまいます。
IPAのおすすめ銘柄:ストーンIPA
「ストーンIPA」は、大きな角を持ったガーゴイル(ヨーロッパの建築物に見られる、生き物の形をした雨どい)のイラストが缶に描かれており、それがトレードマークとなって世界中で愛されています。
大量に使用されたホップの香りと苦味が強烈に効いており、ひとくち飲んだら忘れられません。
ガーゴイルのいかつい見た目とは裏腹に、レモンやシトラスの爽やかなフレーバーが感じられます。
ランビックのおすすめ銘柄:カンティヨン・グーズ
「カンティヨン・グーズ」は、熟成期間の異なる3種類のランビックをブレンドした銘柄です。
3種類のランビックを混ぜて、レモンやオレンジの香りと研ぎ澄まされた酸味をバランス良く調整した独特な味となっています。
酵母をろ過せずに瓶詰めしており、生きた酵母による整腸の効果があるビールです。
バーレイワインのおすすめ銘柄:アンカー・オールド・フォグホーン
「アンカー・オールド・フォグホーン」は、アメリカのカリフォルニア州にあるアンカー醸造所で作られているバーレイワインです。
長期間の熟成で生まれたフルーティーな芳醇さや濃厚な甘味、ホップの苦味を味わうことで、ぜいたくなひと時を過ごすことができます。
アルコール度数が高いので、ひとくちずつ舌の上で転がすように飲んでみましょう。
編集部がおすすめするクラフトビールの選び方(シチュエーション別)

シチュエーションごとに、それぞれどのようにクラフトビールが楽しめるかをご紹介します。
- 外食
- 自宅
- ギフト用
外食でクラフトビールを楽しむ
外食でクラフトビールを飲みたい時は、できるだけたくさんのビアスタイルを用意しているお店に行きましょう。
クラフトビールの楽しみ方は、飲むだけではありません。
たくさんの種類から選ぶ時間を楽しんだり、クラフトビールという共通の趣味をきっかけに友好の輪を広げたりしながらクラフトビールを楽しむ方が増えています。
ビアスタイルの豊富なお店に行けば、新しいビアスタイルや銘柄、味の好みが似ているビールファンに出会えるかもしれません。
さらに、ビアスタイルごとに専用のグラスを使ったり、個性的なグラスに注いだりしているなどグラスにもこだわっているお店だと、クラフトビールの味や香りがより楽しめるのでおすすめします。
自宅でクラフトビールを楽しむ
自宅でクラフトビールを飲む時は、フードペアリングも一緒に考えて選びましょう。
フードペアリングとは、クラフトビールと一緒に食べると味が引き立つ料理を合わせることです。
クラフトビールのお店に行っても、ビアスタイルごとに相性の良いペアリングがメニューにない可能性があります。
自宅で自分好みのクラフトビールに合わせたペアリングを作ってみましょう。
自宅でも作りやすいフードペアリングの例をご紹介します。
- ピルスナー : 鶏の唐揚げ、餃子
- ペールエール : 肉じゃが、スパゲティ
- ヴァイツェン : 白身魚のカルパッチョ、冷奴
- フルーツビール : 同系統のフルーツデザート
- スタウト : すき焼き、スモーク料理
- IPA :スパイシーチキン、カレー
- ランビック :やきとり(塩味)、スモークサーモン
- バーレイワイン : チョコレート、チーズケーキ
ギフトにおすすめのクラフトビール
近年、お中元やお歳暮、プレゼントなどギフトとしてクラフトビールを贈る人が増えています。
ギフト用にクラフトビールを選ぶ時には、数種類のビアスタイルがそろっているものをおすすめします。
クラフトビールはギフトの中でも比較的長く保存できるため、ゆっくりと飲み比べを楽しんでもらいましょう。
ギフト用におすすめの銘柄をご紹介します。
- 鎌倉ビール
- 富士桜高原麦酒
鎌倉ビール
「鎌倉ビール」には、お中元・お歳暮だけでなく、父の日や母の日、敬老の日など、さまざまな場面に適したギフトがあります。
世界でも受賞歴があり、その品質はお墨付き。
ペアリングやオリジナルグラスが一緒になっているセットもあるので、贈る相手にぴったりのギフトを選ぶことができます。
富士桜高原麦酒(ふじざくらこうげんビール)
「富士桜高原麦酒」は、醸造所や各ビアスタイルに受賞歴があり、確かな品質のクラフトビールを提供しています。
定番商品に加え期間限定の商品もそろっているため、何度贈っても楽しんでもらえます。
中でも手作りソーセージとのセットは、喜ばれること間違いなしです。
編集部がおすすめするクラフトビールの選び方(エリア別)

地域ごとにおすすめクラフトビール醸造所を見てみましょう。
お住まいの地域でどんなクラフトビールが作られているのか、チェックしてみてくださいね。
【北海道】
- 美深白樺(びふかしらかば)ブルワリー(美深町)
「美深白樺ブルワリー」は、美深町の特産品の一つ「白樺樹液(しらかばじゅえき)」を使ってビールを作る醸造所です。白樺樹液は美深町内に群生する白樺から年に一度、春先のわずかな期間に抽出される樹液です。
日本最北に位置する醸造所としても知られています。
《その他のおすすめ》
- Beer Bar NORTH ISLAND(ノースアイランド)(札幌市中央区)
- 小樽ビール醸造所 小樽倉庫No.1(小樽市港町)
【東北】
- ベアレン醸造所(岩手県盛岡市)
「ベアレン醸造所」はドイツのヴィンテージものの設備を買い付けて設立された醸造所です。
直売所や見学ルームが併設されているため、大人のデートスポットとして楽しめます。
《その他のおすすめ》
- 宮城マイクロブルワリー ゆりあげ麦酒醸造所(宮城県名取市)
- 羽後麦酒(秋田県雄勝郡羽後町)
【関東】
- 鎌倉ビール(神奈川県鎌倉市)
「鎌倉ビール」は鎌倉市内のさまざまなレストランで味わえます。
オーシャンビューの風景やレストランのレトロな雰囲気を楽しみながらクラフトビールを飲んでみたい方におすすめです。
砂浜で海風を感じながら飲む鎌倉ビールも風情があります。
《その他のおすすめ》
- ビール工房 新宿(東京都新宿区)
- BREWIN’BAR 主水 銀座醸造所(東京都中央区)
【中部】
- 富士桜高原麦酒(山梨県南都留郡富士河口湖町)
「富士桜高原麦酒」は標高1000mの深く静かな森の中にある醸造所です。
ドイツ仕込みの技術をもとに、厳選された材料と富士山の良質な軟水から“至高のビール”を醸造し続けています。
《その他のおすすめ》
- 金澤ブルワリー(石川県金沢市)
- よなよなエール ヤッホーブルーイング 佐久醸造所(長野県佐久市)
【関西】
- 京都醸造(京都市南区)
「京都醸造」はベルギーの伝統とアメリカの新しい風を融合したビールを作っています。
外国人醸造家が営む落ち着いた空間が楽しめる醸造所です。
《その他のおすすめ》
- 道頓堀ビール(大阪市中央区)
- VOYAGER BREWING Co.(和歌山県田辺市)
【中国】
- 石見(いわみ)麦酒(島根県江津市)
「石見麦酒」は、「この地域ならではの地酒をつくりたい」という思いで夫婦二人で立ちあげた醸造所です。
地元で採れる大麦や柚子の特性を最大限に活かしたビールを提供しています。
《その他のおすすめ》
- Session’s Brewery(広島市中区)
- 山口地ビール(山口県山口市)
【四国】
- まめまめびーる(香川県小豆郡小豆島町)
「まめまめびーる」は、香川県小豆島にあり、柑橘やハーブ、醤油、米などの特産品を使った個性的なビールを作っています。
地域に愛され地域で飲まれるビールを目標に、ビールの可能性を探り続けています。
《その他のおすすめ》
- DD4D BREWING & CLOTHING STORE(愛媛県松山市)
- KAMIKATZ STONEWALL HILL CRAFT & SCIENCE(徳島県勝浦郡上勝町)
【九州】
- 門司港地ビール工房(北九州市小倉北区)
「門司港地ビール工房」は、ビール本来の味を引き出すため、加熱殺菌やろ過を行わない醸造所です。
13種類のモルトと4種類のホップ、3種類の国産酵母を使用して、料理との相性の良いビールを提供しています。
《その他のおすすめ》
- 杉能舎(浜地酒造)(福岡市西区)
- 宮崎ひでじビール(宮崎県延岡市)
まとめ
今回は試しやすさやシチュエーション、エリア別にクラフトビールの選び方や編集部おすすめのクラフトビールをご紹介しました。
飲んでみたいビアスタイルや銘柄はありましたか?
より多くのビールを味わってみて、自分のお気に入りの一本を見つけてみてください。
本当に飲みたいクラフトビールを選び、楽しいビールライフを送りましょう。