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知るともっとおいしく感じる! クラフトビールの作り方!

2021.03.31

はじめに

みなさんはクラフトビールがどうやって作られているかご存じですか?現在では日常的に飲まれるようになったクラフトビールですが、その作り方まで知っている方はあまり多くないはず。    

クラフトビールはどのように作られるのか、その作り方を知ってビールの特徴や味をより意識するようになると、クラフトビールがさらにおいしく感じられるようになります。今回は、クラフトビールの作り方や原料などについてご紹介します。    

現在、クラフトビールは100種類以上あり、基本的にみな同じような作り方をしています。頻繁に口にするビールの原料を知りたい方、原料や作り方から自分の好みのクラフトビールを見つけたい方は、ぜひ最後までお読みいただき、クラフトビールを楽しんでもらえれば嬉しいです!

クラフトビールの原料は?

ビールは、モルト・ホップ・酵母・水によって、作られています。これらはビールの4大原料と言われていて、クラフトビールを作る時にも欠かせません。ビールの醸造所は、これらの原料の種類や量、入れるタイミングを調整しながら、オリジナルのビールを作っています。

また、クラフトビールは、モルト・ホップ・酵母・水以外にも原料を用いる場合があります。その5つ目の原料を「副原料」と言い、副原料を加えることで、ビールに個性を与えます。長い歴史を経て、原料・副原料が調整され、現在クラフトビールの種類は100を超えています。    

それでは、これらの原料の役割や種類を一つずつご説明していきます。

クラフトビールの原料①:モルト(麦芽)

モルトとは、発芽させた大麦麦芽のこと。モルトには、アルコールを作るというとても重要な働きがあります。麦芽に含まれるでんぷんが、発芽によって糖分に変わり、糖分が発酵してアルコールへと変化します。

アルコールを作る以外にも、ビールに香ばしい風味や黄金色を与える役割も果たしています。    

クラフトビールを作る際に用いられるモルトは、品種や製造方法によって異なります。 「ペールモルト」、「ローストバーレイ」、「ウィートモルト」など、たくさんの種類の中から醸造所ごとに選んで作られています。 

クラフトビールの原料②:ホップ

ホップとは、アサ科つる性の多年草植物で、クラフトビールに苦みや香りを与える役割をしています。他にも、ビールの泡持ちを良くしたり、雑菌の繁殖を防いでくれたりします。    

ホップの量や種類、組み合わせ、投入のタイミングによって、ビールの味や香りに変化が生じます。微妙な違いでも味が変わるため、同じビアスタイルでも異なる味に仕上がります。

ホップは、生産地域や品種によって、100以上の種類がありますが、「ファインアロマホップ」「アロマホップ」「ビターホップ」と大きく3つに分類できます。ファインアロマホップは穏やかな香りと控えめな苦味、アロマホップは強い香り、ビターホップは苦味、というようにそれぞれに特徴があります。 大手ビールメーカーの中には、自ら大麦やホップの品種改良を行っているところがあります。よりおいしいビールをたくさんの消費者に届けるための努力が感じられます。

クラフトビールの原料③:酵母

酵母とは、イーストとも呼ばれる微生物のことで、麦芽に含まれる糖分を発酵させアルコールを作り出します。酵母は大きく分けると、「上面酵母(じょうめんこうぼ)」と「下面酵母(かめんこうぼ)」と「野生酵母」の3種類があります。 上面酵母で発酵したビールは芳醇な香りと豊かな味をしていて、下面酵母はさっぱりとした爽快感のあるビールになります。野生酵母から作られるビールは、自然発酵ビールと言い、個性的な味・香りや強い酸味が特徴的です。

クラフトビールの原料④:水

水もクラフトビールを作る上で重要な原料の一つです。水はクラフトビールの90%以上を占め、味や舌触りなどに影響を与えます。「硬水」と「軟水」に分けられ、硬度が高いほど口当たりが硬くなります。その土地の水がきっかけで人気となったビアスタイルもあるほど重要な原料と言えます。

クラフトビールの原料⑤:副原料

副原料は、ビールの4大原料であるモルト・ホップ・酵母・水以外に使われる原料を指します。副原料を加えることで、よりビールに個性が現れ、数多くのビアスタイルが誕生しました。さらに、アルコール度数をコントロールしたり、泡を立ちやすくしたりする役割もあります。 副原料には、フルーツや麦、米、コーン、こうりゃん、ばれいしょ、スターチ(でんぷん)、糖類などが使われています。

ちなみに、日本では、麦芽全体のうち大麦の量が50%以上を占めていなければビールとして認められません。50%を下回ると発泡酒になります。味を追求して副原料を入れ、日本では発泡酒扱いになるビアスタイルも少なくありません。発泡酒はビールの代替品と考える人もいますが、今や発泡酒もビールと同等に人気があります。

クラフトビールは原料の違いによって、こんなに種類が

クラフトビールは原料の違いによって、さまざまなビアスタイルに分かれています。その中でも、副原料が特徴的なビアスタイルを3つご紹介します。

  • フルーツビール
  • ヴァイツェン
  • インディア・ペールエール(IPA)

フルーツビールは副原料にフルーツを使っていて、甘味や酸味が特徴のビアスタイルです。使用されるフルーツは、地域ごとに異なり、その地方の特産品が使われることがよくあります。アルコール度数は低めで、ジュースやデザート感覚で楽しめます。

ヴァイツェンは、モルトの多くを大麦麦芽ではなく小麦麦芽で占めています。小麦のおかげで舌触りがなめらかになり、バナナのような甘い香りが特徴的です。見た目は、白濁しており、白ビールと呼ばれることもあります。

インディア・ペールエールは、他のビアスタイルよりも大量のホップを使用しています。そのため、ホップの苦味や香りが強く感じられるビアスタイルです。

次に、モルト・ホップ・酵母・水・副原料はどのような過程でビールに生まれ変わるのかをご説明します。

クラフトビールの作り方

ビールの原料からどのようにクラフトビールが作られるのか、大きく5つの手順に分けて詳しく解説していきます。

  1. 精麦(せいばく)
  2. 仕込み
  3. 主発酵
  4. 熟成(後発酵)
  5. ろ過または熱処理

手順①:精麦(せいばく)

クラフトビールを作る最初の工程は「精麦」です。精麦は、外皮を削ったり、異物を取り除いたりして、大麦からモルトを作ります。

精麦の過程で焙燥(ばいそう)・焙煎(ばいせん)という乾燥や加熱を施して、ビールのうま味や甘味を作ります。培燥・焙煎の度合いを調整して、ビールの黄金色や香ばしさを決めます。

手順②:仕込み

精麦しモルトができたら、次は「仕込み」をします。仕込みとは、麦芽の糖分を発酵させるための準備のことです。

モルトを粉砕しお湯や副原料を一緒に混ぜ、でんぷんやたんぱく質を糖類やアミノ酸に分解する「糖化」を行います。糖化してできたものを麦汁(ばくじゅう)といい、ろ過、煮沸、冷却して発酵に備えます。

手順③:主発酵

仕込みが整えば、主発酵を行います。主発酵とは、麦汁に酵母を加え、アルコールと二酸化炭素(炭酸ガス)を作る工程のことです。

発酵は3~10日で完了し、発酵の度合いによって、クラフトビールのアルコール度数と味が決まります。

主発酵が終わった麦汁を「若ビール」と呼びます。若ビールとはいうものの、香りはビールとは程遠く、まだまだ飲めたものではありません。

手順④:熟成(後発酵)

主発酵を終えた若ビールは、次に熟成(後発酵)をさせます。熟成させることにより、若ビールの不快な匂いからクラフトビールの芳醇な香りに変化します。

熟成期間は作られるクラフトビールによって違いがあり、正しく行わないと品質を損なうので、繊細な工程だと言えます。

熟成は、「上面発酵(じょうめんはっこう)」と「下面発酵(かめんはっこう)」「自然発酵」の3種類があり、使用する酵母によって異なります。    

上面発酵は、古くから用いられる発酵方法で、酵母が若ビールの上表面に浮き上がってくることが由来となっています。かつては、冷蔵庫がなくても作れる上面発酵のビールばかりでした。

下面発酵は、冷蔵庫の発明がきっかけで誕生した発酵方法です。現在、日本の大手ビールメーカーで作られるビールはほとんど下面発酵で作られています。    

自然発酵は、培養した酵母は使わず、空気中に存在する野生酵母を使って発酵させる方法です。独特の味わいや強い酸味が特徴です。

手順⑤:ろ過または熱処理

熟成の後、ろ過または熱処理で糖分の発酵を止めます。ろ過で酵母を取り除くと、ビールが透明になります。中には、ろ過の程度を調整し、生きたままの酵母を残すビールもあり、独特のコクが特徴的です。また、熱処理では、酵母を取り除かないため、フルーティーな香りの濁ったビールに仕上がります。ろ過・熱処理が終わると、クラフトビールは完成します。    

まとめ

クラフトビールの原料と作り方を紹介しました。原料は、モルト・ホップ・酵母・水・副原料のみ。シンプルな原料と職人による複雑な工程を経て、最高のクラフトビールに生まれ変わります。各ビアスタイルにそれぞれの原料と製造工程があると思うと、クラフトビールの奥深さを感じられます。

醸造所の心のこもったクラフトビールを、ぜひ一度味わってみてください。