カテゴリ:

クラフトビールをより楽しむための、グラス選び入門

2021.03.26

はじめに

ご自宅でクラフトビールを飲む際、 ビール専用のグラスに入れて飲むと、よりおいしくなることをご存じですか?ワインにワイングラスがあるように、クラフトビールにも、クラフトビール専用のグラスがあります。

ビールグラスというと、日本人にはジョッキのイメージが浸透していますが、実はヨーロッパやアメリカではクラフトビールのグラスの種類は多く、それぞれ個性的な形や素材でビールの魅力を引き出してくれます。ビールグラスを知れば、さらにクラフトビールの楽しみ方が増えます。

今回は、グラスを使ったほうがクラフトビールがおいしくなる理由やその選び方、種類、お手入れ方法などについてご紹介します。家で飲むビールに、グラスというひと手間を加えるだけでとてもぜいたくな味、香りに大変身。普段のビールをさらにおいしくしたい方は、缶ではなく、グラスに注いでお楽しみください。

クラフトビールをグラスに注いだほうがおいしい理由

まず初めに、なぜクラフトビールはグラスに注いで飲むほうがおいしくなるのかについてご説明します。

クラフトビールをグラスに入れて飲んだほうがおいしく感じる理由は、3つあります。

  • 泡立ちと広い口で香りが広がる
  • 見た目がきれい
  • 特別感で気分が上がる

クラフトビールはグラスに注ぐと泡が立ちます。入れ方によって泡が立ちやすいだけでなく、グラスの中にはビールが泡立ちやすいよう内側が加工されているものもあり、それだけ泡立ちは重視されています。

ビールの泡は、ビールが空気に触れて酸化し味が落ちるのを防いだり、液体中の炭酸ガスをとどめたりと、ふたの役割をしています。さらに、香りを広げたり、舌触りがなめらかになったり、ビールをおいしく飲むためには欠かせません。

加えて、グラスは缶よりも飲み口が広いため、香りが広がりやすくなっています。缶では香りが中にとどまり、あまり感じられなくても、グラスに注ぐことで空気中に広がり、思わず鼻を近づけてみたくなるはずです。

ビールグラスを使うことのメリットは他にもあります。クラフトビールはビアスタイルごとに色が違い、それぞれとてもきれいです。缶の時にはあまり気にしていなかったクラフトビールの色ですが、複数のクラフトビールをグラスで用意すると色の違いも楽しめます。見栄えが良くなるため、最近では写真を撮ってSNSに投稿する人も多く見られます。

そして、自分のお気に入りのグラスを使えば、その特別感からお店で飲むよりおいしく感じます。クラフトビールをグラスに注いだほうが良い理由はたくさんありますが、どれもクラフトビールの持つ本来の魅力を引き出してくれます。

では実際にグラスを選ぶ場合、どこに着目すればよいのでしょうか?

グラス選びのポイントは?

クラフトビールのグラスには、それぞれに特徴があり、グラスによって楽しみ方が異なります。自分好みのビアスタイルや飲み方に合ったビールグラスを選ぶには、こちらの5つに注目してみましょう!

  1. 形状
  2. 飲み口の広さ
  3. 容量
  4. ガラスの厚さ
  5. 脚の有無

ビールグラスの選び方①:形状

クラフトビールのグラスは、さまざまな形状のものがあります。円柱型のストレートのものや、だんだんと下方がスリムになっているもの、卵型になっているものなどです。

形が異なれば、香りの広がり方や泡の立ち具合も異なります。ビアスタイルごとにふさわしいビールグラスがありますが、自宅にいくつもビールグラスを置けないという方は、お気に入りのビアスタイルに合ったグラスを一つ選んでみましょう。

ビールグラスの選び方②:飲み口の広さ

クラフトビールのグラスは、種類によってビールの飲み口の広さが異なります。飲み口が広いグラスは、ビールを注いでから一気に香りが広がります。

反対に飲み口の狭いグラスは泡持ちが良く、クラフトビールの泡を楽しみたいという方におすすめです。

ビールグラスの選び方③:容量

クラフトビールのグラスは、種類によって容量が異なります。ビールサーバーからビールを注ぐ場合は一杯の量を調整できますが、缶から注ぐ場合は1缶すべてを注ぎきれないことがあります。注ぎきれず缶に残ったビールは、空気に触れてしまうと味が落ちてしまいます。ちなみに、缶ビールは1缶350mlか500mlなので、ビールグラスを選ぶ際は参考にしてみてください。

お酒をたくさん飲む人だと、容量が小さすぎるグラスに何回も注ぎ足すのは手間がかかります。反対に、あまりお酒を飲まない方にとって、大きすぎるグラスは必要ありません。ご自身のお酒を飲む量も考えながら、グラスの容量を調整してみるのも良いかと思います。

ビールグラスの選び方④:ガラスの厚さ

ガラス製のビールグラスは、厚さによって楽しみ方が変わります。厚いグラスは、熱が伝わりづらく、長時間冷たい温度をキープできます。

反対に薄いグラスはビールがするりと舌に乗り、泡のきめ細やかさを感じることができます。また、グラスが薄いと常温になりやすいので、ぬるめで飲むとおいしいビールが好きという方におすすめです。

ビールグラスの選び方⑤:脚の有無

脚のあるビールグラスは、脚を持つことで手の温度が移らないので、ビールの温度を長時間一定に保つことができます。

さらに、ワインのようにグラスを傾けて香りを嗅いだり、チビチビと飲んだりゆっくりクラフトビールを楽しめます。

また、ガラス以外にも金属製、陶器製などのビールグラスもあるので、一緒にご紹介します。

金属製のビールグラス

金属製のビールグラスは、キンキンに冷えたビールが好き!という方におすすめ。冷蔵庫に入れておけばビールと同じように冷たくなり、その冷たさを最後までキープできます。特に、錫(すず)製の容器は、長時間にわたり温度を保つだけでなく、雑味を取り除く作用がありビールの味がまろやかになります。

錫100%のビールグラスは少し高価ですが、一つ持っているだけで毎日おいしいビールが味わえるのでおすすめです。

陶器製のビールグラス

陶器製のビールグラスの最大の特徴は、グラス表面に陶器特有の凹凸がある点です。この凹凸のおかげで、ビールサーバーから注いだ時のようなきめ細かい泡を作り出すことができます。そのため、とてもクリーミーな舌触りと香りをもたらす泡をずっと保てます。

ビールの泡にこだわりたいという方におすすめです。

クラフトビールの種類に合ったグラスを解説

ビールグラスには、さまざまな種類がありますが、ビアスタイルごとに特有の形があります。 今回は代表的な10種類のビールグラスをご紹介します。

  1. ジョッキ
  2. ピルスナーグラス
  3. パイントグラス
  4. チューリップグラス
  5. ヴァイツェングラス
  6. しもぶくれ
  7. IPAグラス
  8. スタウトグラス
  9. フルートグラス
  10. タンブラー

ジョッキ

ジョッキは、日本でもなじみ深いビールグラスだと思います。多くの居酒屋で中ジョッキに入った生ビールをよく見かけますよね。分厚いガラスに持ち手のついた形をしているのが特徴です。

キンキンに冷やしたジョッキはビールの温度を冷たいまま保つため、下面発酵(かめんはっこう)のビールが最適な温度で本来のおいしさが味わえます。ジョッキで豪快に飲み、爽やかなのどごしとスッキリした飲み心地が、一日の疲れを吹き飛ばしてくれます。

ピルスナーグラス

ピルスナーグラスは、高さのある細身で円柱型のグラスです。イタリアンレストランでよく見かけます。ジョッキと同じく、爽快なのどごしを楽しみたいときにおすすめで、ピルスナーやラガー用に使います。

ジョッキに比べてビールが少しずつ口に入ってくるため、ビールの繊細な味が楽しめます。

パイントグラス

パイントグラスは、1パイント=568ml入ることがその名の由来です。他のグラスよりも大きいため、500mlの缶ビールを注いでも余裕があります。グラスの上部が広がっており、半分から少し上のあたりにグラスを一周する膨らみがあるのが特徴です。その広がりはグラスを持ちやすくしたり、重ねてもすぐ抜けるようにしたりという役割があります。

ビールグラス以外ではあまり見ない形です。香りが楽しめるため、ペールエールやスタウトを注ぐのがおすすめです。

チューリップグラス

チューリップグラスは、口が狭く真ん中あたりが膨らんでいて、脚のあるグラスです。ワイングラスの形に似ているため、スワリング(グラスをクルクル回す仕草)しやすくなっています。

香りを閉じ込め、泡持ちが良い形状で、見た目にもかわいいデザインです。上面発酵(じょうめんはっこう)のペールエールなどを注ぎ、香りを楽しみながら飲めます。

ヴァイツェングラス

ヴァイツェングラスは、細長く下方がスリムにくびれている形をしています。クラフトビールを入れた際に、色がきれいに見えるのが特徴です。ヴァイツェンの白濁した色の薄いビールにぴったりのグラスです。

しもぶくれ

しもぶくれグラスは、グラスの下方と口が広がっており他のグラスに比べると少し太く、ぽてっとした形状をしています。香りと味が混ざりやすい形状で、ポーターやスタウトなどの、ふくよかなコクと甘味や苦味があるビールと相性が良いグラスです。

IPAグラス

IPAグラスは、その名の通り、IPA専用のグラスです。下半分が絞られていて、絞られた部分には凹凸があるという特殊な形をしています。この特殊な形が独特の風味やホップのパンチを引き立たせてくれます。IPAの他にも、ペールエールを入れて飲むのもおすすめです。

スタウトグラス

スタウトグラスは、真ん中より下半分がギュッとくびれた形をしています。IPAグラスと似ていますが絞られた部分に凹凸はなく、ビールを注ぐ際の泡とのバランスが考えられており、コクと苦味が強いスタウトの個性がより楽しめます。

フルートグラス

フルートグラスは、シャンパングラスのように細く脚のついた形状です。ゴクゴク飲むビールよりも、一口ずつ堪能しながら飲むビアスタイルにおすすめです。フルーツビールとの相性が良く、フルーツビールを注げば、形も色もきれいでシャンパンのような華奢な印象を与えます。

タンブラー

タンブラーは上部に向けて真っすぐ口が広がっており、紙コップと同じような形をしています。その汎用性は高く、ビール以外の飲み物にも使えます。金属製や陶器製のビールグラスには、この形のものが多いです。

グラスのお手入れ方法の紹介

ここまでクラフトビールのグラスの代表的な種類を紹介してきましたが、きちんとお手入れすると、もっとビールがおいしくなります。

クラフトビールのグラスのお手入れはとても簡単。グラス本来の役割を果たすためにも、清潔に保ちましょう。

汚れていないスポンジでしっかりと泡を立てて洗い、泡が残らないように流します。グラスを乾かすときは、逆さまにして自然乾燥させます。水滴の跡が残っている場合は、きめ細かいタオルやグラス拭きで拭き取りましょう。

きちんと洗えているグラスは、飲んだ後に「エンジェルリング」という泡の輪がきれいにできます。逆に、汚れが残っている場合は、カニ泡という大きめの泡がグラスの内側につきます。味や見栄えを良くして最高の一杯が味わえるように、日ごろから清潔に保ちましょう。

普段グラスを洗いなれていない人でも簡単に洗えるのでぜひやってみてください。

まとめ

今回はクラフトビール専用のグラスを使ったほうがおいしく飲める理由や種類、選び方、そのお手入れの方法を紹介しました。グラスの形状によってビールの泡立ちや香りなどが変わります。クラフトビールの種類だけでなく、グラスにもこだわることで、よりぜいたくにクラフトビールが味わえます。

ぜひ自分の好きなクラフトビールや飲み方に合ったグラスを探してみてください。